キャラ設定:夾介

どんな困難も涼しい表情でーーー……‼︎

IQ200の天才異端児「考える者」

 

桐沢 夾介(きりさわ きょうすけ)

 

「資産と知能を兼ね備えた俺に死角ナーシ‼︎」

「富も名声も美貌も持つ俺…なんて罪深い存在やろか……」

 

 

基本スペック

 

・身長176cm / 体重65kg / 11月11日生まれ(蠍座) / 21歳 / B型

・一人称「俺」 / 二人称「お前」

・BLUE PUNCHのヴォーカル担当。業界随一とも呼ばれる圧倒的歌唱力を持つ

眉目秀麗な顔立ちと派手に逆立てた髪型、そして圧倒的な存在感を持つ美しい青年。しかし性格は破天荒かつお調子者で、その問題行動の多さから各方面から問題視されており、異端児と称されている。嵐のように周囲の人々を巻き込み影響を与える様はカリスマと呼ぶに足るものだが、あまりにも独特すぎる世界観と破天荒な言動でゴールデンタイムのお茶の間には相応しくない人物No.1の称号も獲得している。

奇人変人異端児子どもに見せたくない芸能人など数々の不名誉なタイトルホルダーでもある夾介だが、そのIQはなんと200を超える。物事を五次元的思考で捉えられる類稀なる頭脳の持ち主で、中学生の頃には飛び級制度を利用してハーバード大学を首席で卒業している天才。

・「桐沢財閥(※1)」という日本有数の財閥一族の御曹司。桐沢家の末っ子。正真正銘のセレブである。また、その高貴な身分から常にシークレットサービスの護衛が複数人ついている。金銭感覚が他のメンバーと違いすぎるがあまり顰蹙を買う事も多々あるが、本人は至って真面目。しかし庶民派な一面も意外と持ち合わせているらしく、幼馴染で親友の梨也に連れられて行った祭りの屋台で食べたたこ焼きの美味さに本気で感動していた過去もある。駄菓子や屋台ラーメン、ビールが大好きでよくメンバーと一緒に遊びに行っている。もちろん護衛はついている。※1桐沢財閥」桐沢家当主であり夾介の父、豪介(ごうすけ)により運営されている。あらゆる事業への投資を行っており、総資産額は計り知れない。

・好きなもの、事はおもろい事!、たこ焼き、ビール、ラーメン、音楽!人を驚かせる事、サプライズ、BLUE PUNCH、ファンの皆!、仲間!、祭り、アインシュタイン、レオナルドダヴィンチ、表現する事!

・苦手なもの、事は社交パーティーに出席する事、泣かれる事、馬鹿、表現活動を邪魔される事

左目の下に泣きぼくろがあるのが特徴。

 

 

BLUE PUNCHのヴォーカル担当

 

ラウドロックバンド、BLUE PUNCHのヴォーカルを担当している。そして、BLUE PUNCHを結成した張本人でもある。

・海外留学から帰国した夾介は幼馴染で親友の同メンバー、梨也を誘って音楽フェスに出る事を決意。その際に京都方面で有名だったギタリストの那智を誘ってBLUE PUNCHの原型が出来上がる。(一覇や白秋、隼人の加入はその後)

・武器は業界随一とも呼ばれる高い歌唱力。ロックチューンはもちろんの事、バラードを歌わせてもその歌声は天下一品。また、絶対音感を持つ夾介の音程正確率の高さは完璧で、どんなに酔っ払っていてもその音程がずれる事はない

・また、彼の才能は作詞にも活かされており、豊かな語彙と人々の共感を集める言葉の数々はBLUE PUNCHになくてはならない強みの一つである。BLUE PUNCHの楽曲において、作詞はほぼ彼が担当している。(また、I・M社内では作詞活動に行き詰まった彼がインスピレーションを得る為に様々な奇行に及んでいる姿が度々見受けられるという。)

・歌唱力と作詞家としての才能もさる事ながら、彼の最大の強みはその圧倒的なカリスマ性にあると言える。周囲を良い意味で巻き込み、嵐の如く突風を巻き起こす。その突飛な言動も言い換えれば彼の柔軟な発想力の裏返しであり、現状を打破する能力に関して他の追随を許さない。圧倒的リーダーであり、圧倒的カリスマ。まさにキング。また、ファンに最高の音楽を届けるという目標はいかなる時もぶれる事はない。仕事に関して誰よりも真剣に向き合い、職人のようにこだわり妥協は許さない。それにより生まれる軋轢もあれど、結果出来上がったステージはどれも最高の宝になるのだ。夾介にとっても、関わった人々にとっても。また、本人はあっけらかんとしているので、失敗は引き摺らないタイプ。それは他人に対してもそうなので、彼のこざっぱりとしたポジティブシンキングはムードメーカー的存在として重宝されている。

 

 

 

 Red Fractionでの役割…「考える者」

 

・夾介の作中での役割は「考える者」いかなる困難、絶望も希望へと転ずる最適解を導き出す。レッドフラクションを巡るあらゆる作戦において、立案者は夾介である。また、己の采配ひとつで仲間を危険に晒してしまうかもしれないプレッシャーの中、それでも思考を止める事は許されない。基本的に彼が表に出て作戦行動に参加する事は少ないが、ブレーンとしての役割をきっちりこなしている。しかし、作戦名についてはあまりネーミングセンスがないらしい。

▲▲ 敵組織の経営するクラブ99への潜入作戦も夾介が立案。生死の関わる判断をしなければならない状況下で流石の夾介もヘロヘロ……

作戦名にセンスはあまり感じられない。

 

 

 

今は亡き前社長、茜雫との縁

 

・日本有数の財閥一族である桐沢家と前社長・茜雫には縁があった。茜雫は神威(かむい)一族が迎えた養子であり、正式には神威家の血を引いていない彼女ではあるが、夾介は社交界で度々茜雫と顔を合わせる機会に恵まれていた。「聖母とはまさにあの人の事を指すんやろな」と夾介は語る。彼女は正式な神威家の人間ではなかったが、努力と人柄によってI・M社の社長に就任し、夾介たちの音楽活動をバックアップした恩人でもあるのだ。

 

▲▲ 茜雫の葬儀に参列した際の夾介。いつもの派手なヘアスタイルではなく、アクセサリーもすべて外した姿。鎮痛な表情の奥で、彼は茜雫の死の背後に蠢く闇の片鱗を感じ取っていた。

 

 

夾介の人間関係

 

同メンバー、梨也とは幼馴染で親友の関係。夾介は梨也を「梨っちゃん」という愛称で呼んでいる。出会いは小学生の頃、一つ年上の梨也に助けられた事が縁となり、その後も親友関係が続いている。また、梨也のお家事情についてはなんとなく知っている。後に梨也が逮捕される事となった際には家族に梨也に腕のいい弁護士をつけて欲しいと頭を下げて懇願した。その後、彼は梨也を救うべく自らが弁護士になると宣言して猛勉強を開始。あっさりと司法試験に合格した憎いヤツ。流石天才。

東京バラノイズのメンバー、翔太とは同い年で同じヴォーカリスト同士なだけあって仲が良い。また、梨也が翔太の弟・隼人の教育係に任命されてからは「梨っちゃんを取られた‼︎」と翔太に駄々をこねる姿が見掛けられている。その繋がりで楝時や珠希とも面識を持つが、楝時とはあまりソリが合わないらしく、互いに舌戦を繰り広げている。珠希の事は子犬だと思っている

・同メンバーの那智と一覇に対して可愛い子ぶっているが、まったく相手にされていない。どうやらバイセクシャルらしい夾介。那智と一覇は好みの外見らしく熱烈なアピールをしているがまったく相手にされていry。白秋に「ぱー君」というニックネームを命名したのは夾介。白秋の天然癒しオーラにあてられるとどうにも眠くなってしまうらしい。隼人に関しては「梨っちゃんを取られた‼︎」などと子どもじみた駄々をこねてはいるが、ミュージシャンとして対等な存在だと認識しており、それゆえに厳しく接する事もあるが基本的には可愛い最年少メンバーとして存分にいじり倒している

 

バンドマン創作「Red Fraction」用語解説①

Red Fraction」用語解説①

 

 

人類史上最悪の「悪魔のドラッグ」

Red Fraction(レッドフラクション)」

 

 

概要

 

幻覚剤の一種

・直訳すると赤い粒子となり、存在証明がなされているものの認識不可能な物質。非常に複雑な化学式であり、並の科学者ではその化学式の特定さえも困難とされる。

・服用するカプセルタイプと吸引する蒸気タイプ、血管に直接注入する液体タイプが確認されている。蒸気タイプはその効果が広範囲に及ぶ生物兵器として紛争地帯で使用されている形跡があるものの、なかなかその存在の尻尾を掴むには至っていない。

・使用すると脳神経系に作用して幻覚をもたらす。それによって非現実的で異常な感覚に陥り、多幸感や幻覚症状などがあらわれる。

・しかし、継続して使用しなければその効果は薄れ、さらには禁断症状により徐々に強い恐怖感や猜疑心、三大欲求(食欲、睡眠欲、性欲)の過度な高まりなどの症状もあらわれる。レッドフラクションの後遺症による欲求の過度な高まりは犯罪を誘発する事もあるらしい。

・しかし、幻覚剤として流通しているレッドフラクションは言うなれば粗悪品であり、純正品はあらゆる細胞の老化を止める若返りの秘薬である。純度の高いレッドフラクションは希釈された状態であらゆる化粧品やサプリメント、または医薬品として一般にも流通しており、生活している人々は当たり前にこれらの製品を使用している事になる。

 

 

レッドフラクションの効果について

 

・幻覚症状、幻聴

・多幸感や全能感に支配される

・一時的な身体機能の高まり、集中力の高まり

・性行為中の絶頂感の増幅

・強い恐怖心や猜疑心

・食欲を制御できなくなる

・性欲を制御できなくなる

・睡眠欲を制御できなくなる 等……

 

 

開発者は桜井 翔兵

 

▼▼ 翔兵詳細

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp

 

 

歴史

 

・その存在が確認されたのは今から30年以上も前の事。とある民族同士の紛争において初めてレッドフラクションが使用された記録が残っているが詳細は定かではない。

・かつて国境なき医師団の一員として紛争地域で医療活動を行っていた翔兵は、そこにある孤児院の子ども達に起こった変化に着目。それは、ある一定のストレスに晒された子どもが超常的とも呼べる身体機能の向上が見られた事に起因する。
・恐怖や怒りなどの強い負の感情が高まった第二次性徴期を迎える前の子どもが過酷な状況下においてストレスホルモンを過剰に分泌。多くの子どもは自我を保てずに精神崩壊してしまうのが通常であるが、そんな状況下において驚くべき集中力や身体能力の向上を発揮した子どもがいた。その子どもたちは言うなればゾーンに入った状態で、人間としてのあらゆる機能が飛躍的に向上した。
・そこから翔兵はレッドフラクションの存在を確立する為、悪魔の実験を開始する。後に存在が確立され商品化されたレッドフラクションには想像を絶するような価値が付随されるようになり、今では開発者である翔兵は地球規模の覇権を握る事となった。

・この世において、何よりも価値のあるもの……それが悪魔のドラッグと呼ばれるレッドフラクションなのだ。レッドフラクションは幻覚剤や医薬品としての側面のほかに、世界経済を動かす代物でもある。

 

 

製造方法

 

第二次性徴期を迎える前の幼い子どもに死を確信させるほどの強いストレスを与える事により、脳の松果体から分泌されるとあるホルモンを直接抽出。それを凝縮したものは純度の高いレッドフラクションとなり、それを希釈したものはサプリメントや化粧品、医薬品と姿を変えて一般に流通。粗悪品と呼ばれる幻覚剤となるのは、レッドフラクションを培養させて作られたものである。

・ストレスが一定を超えた際にのみ分泌されるホルモンが原材料となる為、ホルモンの抽出は材料である子どもの意識がある状態で行わなければならない。激しい拷問によって極限まで高められた精神的負荷の中、脳(松果体)まで届く長い針を眼球から刺し、脳ごとホルモンを抽出する。その製造方法の残虐さゆえにレッドフラクションは悪魔のドラッグと呼ばれ、それに対抗する組織まで結成される事となった。

 

 

レッドフラクションに対抗する人々

 

清人(きよひと)

レッドフラクションの効果を打ち消す作用を持つブルーフラクションの開発者。元々は国境なき医師団のひとりとして翔兵とともに医療に従事していた医者である。隼人の父親。

 

カエサル

清人に雇われた傭兵。カエサルは仮の名前であり、本名は伏せられている。清人からの依頼により桜井兄弟の護衛を務める元軍人。片言の日本語を話すが、実際は日本語のみならずあらゆる多言語を使いこなす。

 

ルカ

・同じく清人に雇われた傭兵の少年。ロシア人であり、元はKBG(ロシア諜報機関員)だった。幼いながらも諜報や暗殺術に長けている。カエサルとは顔馴染み。

 

晴明(せいめい)

・本名は石動晴明(いするぎせいめい)。警視庁公安課に属する警察官(刑事)であり、機動隊の隊長も務めるほどの実力を持つ青年。けれど、警察も国家なき組織により汚染されている為、その中でも独立した完全なる治外法権組織、公安ゼロ課に身を置くトリプルフェイス。翔太や煉時、隼人と同じひまわり園の出身で隼人の行動によって救われた過去を持つ。カエサルやルカと連携して桜井兄弟やバンドマンの護衛を行う。翔兵を死刑台に送る事を目的に行動する。

 

香介(こうすけ

BLUE PUNCHのヴォーカル担当、桐沢夾介の実兄であり、夾介の保護者代わりでもある。桐沢財閥の御曹司であり長男。売れっ子ラブロマンス作家としてその名を馳せる一方で、主に経済面でバンドマンたちの支援を行う

 

茜雫(せんな)

・I・M(インフィニティミュージック)の前社長であり故人。清人と連携してレッドフラクションの陰謀を暴く為に行動していたが、国家なき組織の暗殺によって逝去。女神と称されるほど聡明で美しい女性。彼女の意志はバンドマンに引き継がれ、生き続けている。ガールズバンド、SEVENTH HEAVEN(セブンスヘブン)のベーシスト、焔(ほむら)とは血の繋がりはないものの、非常に仲の良い姉妹関係にあった。

 

 

製造工場

 

レッドフラションの製造工場はとある財閥から支援を受けている人道支援団体が運営する孤児院である。人間牧場とも呼ばれる孤児院は世界各国に存在し、そこは製造工場と原材料となる子どもを飼い慣らす事を目的に機能している。また、人身売買マーケットとも癒着関係にある為、戦争や震災の混乱に乗じて各国からさらわれた子どもたちがこの孤児院に集められる

・翔太や隼人、楝時や晴明が過ごしたひまわり園もレッドフラクションの製造工場のひとつであった。(ひまわり園は隼人の放火によりその機能を停止している)

 

 

クライスト・フォールとの関係

 

・作中においてキーワードのひとつであるクライスト・フォールは、今では悲惨な航空機墜落事故の跡地となっているが、実際は大規模なレッドフラクションの製造工場であった。航空機墜落事故はレッドフラクションの隠蔽をはかる為に航空機事故に偽装した大規模な人災だったのだ。

・I・M前社長である茜雫はクライストフォールに纏わる陰謀を世間に公表する為に行動していたが、志半ばというところで交通事故により逝去してしまう。しかし、その死の真相はレッドフラクションの製造と流通を行う組織、国家なき組織ーstateless dominionーによる暗殺であった。

 

▼▼ クライストフォールについての詳細

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp

 

キャラ設定:隼人

ラブ アンド ピースをシャウトに乗せてーーー……‼︎

希望も絶望もすべてを抱いて「愛する者」

 

桜井 隼人(さくらい はやと)

 

「…俺の事、ちゃんと好きだった?」

「せいぜい世界平和を歌ってシャウトしてやんよ」

 

 

基本スペック

 

・身長181cm / 体重64kg / 1月1日生まれ(山羊座) / 血液型不明

・一人称「俺」 / 二人称「お前」、「アンタ」

・BLUE PUNCHのドラム担当。

・東京バラノイズの桜井翔太とは異父兄弟であり、隼人は弟にあたる。

身長もデカければ態度もデカい。敬語はかろうじて使えるものの先輩に対する敬意は皆無であり、我儘で独善的な性格。横暴な言動で敵を作る事が多いが本人はあまり気にしていない。

生まれてから一度も風邪を引いた事がない怪我をしてもすぐに治ってしまったり、常人ならざる怪力や身体能力の持ち主。それは彼の出自が影響しているのだが、本人はそれを知らずに生きてきた。その特異体質が災いして周囲の人間から気味悪がられたり、施設では総重量25kgにもなる鎖に繋がれながら生活する事を強制されていた。

・好きなもの、事は空を眺める事(特に澄んだ青空が好き)、高い所、オムライス、食べる事、甘い食べ物(スイーツ好き)、本を読む事(ジャンル問わずなんでも読む)、静かな所(喧騒があまり好きでない)、アニマル柄のファッションアイテム(特にヒョウ柄)、運動する事、動物(アニマル動画を良く観ている)、暖かいもの

・苦手なもの、事は勉強、理屈っぽい人、狭い所、置いて行かれる事、映画やドラマを観る事(観ていると疲れるらしい)、大きな音

・BLUE PUNCHでは最年少メンバーとしてある先輩をこき使い、ある先輩からは厳しく教育されている。何だかんだ愛される憎めないヤツ。

 

 

BLUE PUNCHのドラム担当

 

ラウドロックバンド、BLUE PUNCHのドラムを担当している。BLUE PUNCHに加入したキッカケは東京バラノイズの響。

響の紹介でBLUE PUNCHに加入してからは、同バンドのベーシストである梨也が彼の教育係を任されている。当初、隼人は梨也のか弱い外見を間に受け完全に舐め腐った態度でいたが、後に彼は己の軽率な思い込みを激しく後悔する事になる。ちなみに腕っぷしには自信のある隼人だったが、梨也と那智には勝てた試しがない。隼人曰く、梨也と那智は戦闘部族でそもそも住んでる世界線が違うとの事。

それまで、兄である翔太への執着のみを心の拠り所として生きていた隼人だったが、BLUE PUNCHに加入してからは仲間との絆を育み、直向きな気持ちで音楽に向き合う実直さを覚えていく事になる。口には出さないがメンバーの事をとても大切に思っているし、大好き。メンバーに危害が及ぶような出来事があると怒りで我を忘れる事もある。

生意気な最年少メンバーである隼人。メンバーからは可愛い弟分として、時に厳しく時に激しく(?)愛されている。

・彼のパフォーマンスは大柄な体躯を生かしたアグレッシブなモーションスタイルが特徴。また、普段のニヒルな彼と打って変わって楽しそうにドラムを叩く隼人の姿に女性ファンはキュンキュンしている模様。

・BLUE PUNCHに加入する前はI・M(インフィニティ・ミュージック)の養成所に通い、技術を磨いていた。その際に大変世話になった響とhysteriaの流星に対しては兄を慕う弟のように素直な笑顔を見せる事も。

・それまで積極的に楽曲作りに参加する事はなかったが、レッドフラクションに関する陰謀と携わっていく内に、レッドフラクションの効果を打ち消す手段のひとつとして音源を活用できないかと考えるように。それからはヒットメーカーである那智から作曲について学ぶようになり、結果として彼はレッドフラクションの後遺症に苦しむ人々に向けてワクチンミュージックの提供を行うようになる。

 

 

隼人の性格

 

慇懃無礼な態度と皮肉めいた言動で反感を買う事が多い。斜に構えた性格と冷ややかな眼差しは、彼が置かれていた壮絶な環境が大きく影響している。

・普段は飄々とした振る舞いをしている隼人だが、怒りの沸点を超えると一気に気性が荒くなり、破壊神へと変貌を遂げる。そんな時は梨也や那智に力づくで制圧されるが、まさにその様は手負いの獣のよう那智曰く「見ているこちらの方が苦しくなる」との事。

・勉強は苦手だが、意外と博識で地頭は良い方。施設にいた頃は行動を物理的に制限されていた為、唯一外の世界の知識を得る方法として読書に耽っていた時期もある。その知識の大半は読書で得た賜物であり、施設を出た今も尚読書の習慣は続いている。同メンバーの白秋とは本の貸し借りをする関係でI・M社内にあるブックルームでは隼人と白秋が一緒にいるところがよく見かけられている。

THE・単独行動キングと呼ばれており、行き先も告げずにフラっとどこかに消える危なっかしいヤツ。今では隼人の性格を熟知したメンバーによって隼人の放浪癖は改善されつつある。

・ニヒルな言動で誤解されがちだが、根っからの末っ子気質でめちゃめちゃ甘えん坊。相手を挑発するのは孤独を嫌う気持ちを素直に表現できないからであり、狼になりたくないと言いながら狼になりたがるなんとも皮肉屋で天邪鬼な性格でもある。隼人が他人をおちょくるのは信頼関係の現れであり、イコール構ってサインでもある。でもそれを言うと本人はめっちゃ怒る。

・好きな食べ物は子どもの頃からずっと一途にオムライス一択であるが、東京バラノイズのメンバー、楝時の作る料理はなんでも美味い。特に甘いモノが好きで一人で大盛りパフェをペロリと平らげるほど。素直になれない天邪鬼なので楝時の差し入れはコソコソ隠れて食べている。(しかしバレている)

本作において精神面での成長が最も見られる一人が隼人である。それまではいつも何かが足りないと愚図る子どものような隼人であったが、絶望の淵とも思える日々にも確かに希望はあったのだと知る事で、感謝という愛を知るようになっていく。そして彼は与えられるだけの存在から与える存在へと成長してゆく……。

 

 

 Red Fractionでの役割…「愛する者」

 

・隼人の作中での役割は「愛する者」。これまで翔太への執着を愛情と勘違いしていた隼人だが、己の出自や宿命と向き合う内に真実の愛を知っていく。それは恋愛とも友愛とも違う、ただ与えるだけの無償の愛。言うなればアガペーのような愛である。今までは足りない部分を埋める為に他人の愛を奪ってばかりいた隼人だが、誰かの愛を与えられる月のような愛情から、彼は太陽のような与える愛情に気づき始める。

・思いを寄せ合う翔太と潤に対して複雑な想いを抱きながらも、潤の事を助けたいと自らを犠牲にしてまで行動したのも彼なりの無償の愛の形なのである。その後、回復した潤から大層と可愛がられるようになってしまった隼人だが、潤の過剰な愛情表現にはほとほと困り果てている。

 

▼▼ 隼人の兄・翔太に関する詳細

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp

 

 

 

「青い粒子(Blue fraction)」の素養を持つ者

 

・悪魔のドラッグと呼ばれるRed fraction(レッドフラクション=赤い粒子)の効果を打ち消す物質としてBlue fraction(ブルーフラクション=青い粒子)の存在が確立されている。ブルーフラクションの存在証明を行なったのは隼人の父である清人(きよひと)であり、その息子である隼人もまたブルーフラクションの素養を持って生まれた稀有な存在の一人である。

・隼人は父である清人からブルーフラクションの素養を託され生まれてきた存在。レッドフラクションの後遺症に苦しむ母親を助けたのは清人であり、そんな中で生まれたのが隼人である。(翔太はレッドフラクションに侵された状態で懐妊した母親から生まれて来た)生まれながらにレッドフラクションへの耐性とそれに対抗するブルーフラクションの素養を持って生まれた隼人の存在は本作中においてもかなり稀少な存在である。

・隼人が今までブルーフラクションの素養を使いこなせていなかったのは、翔太への執着が関係していた。ブルーフラクションは人間が完全なるフラット状態に在る事で開花する精神作用のひとつであり、フラットな精神状態で在る為には、隼人は何よりも執着というネガティブな感情を手放す必要があったのだ。

・彼がブルーフラクションの素養を開花させていくにつれて、彼の赤い瞳はだんだんと青みがかっていくように。怒りや執着で濁っていた彼の瞳は、やがてはかつて憧れた、まるで青空のように澄んだ兄の青い瞳にそっくりになっていく

 

 

ひまわり園(孤児院)の出身者

 

・作中のキーワードのひとつである孤児院・ひまわり園の出身者の一人。

・幼い頃に母親を交通事故で亡くしてからは兄・翔太とともにひまわり園という孤児院で育った。また、隼人の特異体質(ブルー フラクションによる影響)に恐れをなした施設の職員により、施設内にいる時には手足と首にひとつ5kg以上もある重たい鎖をつけられていた。

 

▲▲ 幼少期の隼人。

隼人の身体能力の高さと怪力を恐れた職員によって重たい鎖をつけられていた。

通常ならば大人でさえ身動きひとつ取れなくなるほどの重さだが、それでも隼人の自由を制限するには頼りない。

 

・翔太と楝時が施設を脱走する際に、彼らを追手から逃すべく施設に火を放つ。行いこそは犯罪(しかも重罪)であるが、隼人の行動によって救われたのは翔太と楝時だけでなく、今は公安ゼロ課の一員であり隼人たちを守る存在でもある晴明(せいめい)もそうだった。また、火災によってレッドフラクションの製造工場のひとつであったひまわり園の機能を停止させた。

 

 

兄・翔太との一線を超えた関係

 

・東京バラノイズのヴォーカル、翔太とは異父兄弟である。そのせいか、中性的な外見の翔太と体格に恵まれた隼人とは外見的にあまり似ていない。

・母親の死に関して翔太を責めていた隼人だったが、母親が交通事故で逝去した直接的な原因は自分にあると思っている。けれど、子どもだった隼人は母親を亡くしたショックと罪悪感、絶望感がごちゃごちゃになってしまい、壊れそうになる自我を保つ為にすべての責任を翔太に押し付ける事で自分を守るように。

大好きな母親を亡くした隼人に残された繋がりは兄である翔太だけ。唯一の繋がりである翔太を失いたくない、一人になりたくないという恐怖心から隼人は翔太に依存・執着し、暴力で彼を繋ぎ止めるようになる。そのうち、翔太に対する執着を愛情と誤認した隼人は翔太に肉体関係まで迫るようになるが、隼人と同じく壊れる寸前だった翔太もまた、なし崩し的に隼人の要求を受け入れてしまう。それが愛だと勘違いして。楝時からはそんな二人の関係を「歪だ」と評された。

・翔太と楝時が施設を脱走する際、「一緒に行こう」と差し伸べられた手を拒絶したのは隼人の方だった。自分が想うように翔太にも自分を想って欲しい。同じ気持ちになれないのなら、その手も声も、温もりも…要らない。執着と愛情を履き違えたのは隼人も翔太も同じで、この関係を手放した方が良いのだろうと確信していたのも同じ。二人はまったく違うようで似たモノ同士の兄弟だったのだ。

・「俺の事、ちゃんと好きだった?」震える声でそう尋ねる隼人に「当たり前だろ!馬鹿‼︎」と同じように声を震わせる翔太。その言葉があれば生きていける、そう思った隼人は翔太を楝時に任せ、持っていたライターで施設に火をつける。二人を逃す為に囮になる道を選んだのだった。隼人の放火によってひまわり園は延焼し、レッドフラクション製造工場のひとつは機能停止に追い込まれる。そして翔太と楝時は無事にひまわり園の呪縛から逃れ、東京にたどり着く。そして現在は公安警察官となった石動晴明(いするぎせいめい)もまた、隼人の行動によってひまわり園の呪縛から解き放たれた一人である。晴明とはレッドフラクションの陰謀に関わる過程で再会を果たし、国家なき組織ーstateless dominionーから狙われる身となった隼人を護衛する任を請け負った。

 

 

 

作中での活躍①…悪魔のドラッグの製造を止めろ‼︎製造工場爆破作戦‼︎

 

・レッドフラクションに纏わる陰謀に関わる内、思いがけず果たしたのは父親との再会。そして隼人は自分の出自や己の持つ特異体質について知る事になる。

清人はレッドフラクションに対抗する唯一絶対の存在、ブルーフラクションを物質化する事に成功した研究者である。その為、清人は国家なき組織ーstateless dominionーから特級始末対象者に認定されており、その息子である隼人もありもしない罪をでっち上げられ国際指名手配犯にされてしまう行動を制限される中、清人が送り込んだ傭兵のカエサルや元諜報員のルカ、そして思いがけず再会した同郷・晴明の尽力により、レッドフラクションの製造工場を破壊する為の作戦をこなしていく。

・表向きは孤児院という看板を掲げたレッドフラクションの製造工場を無力化してゆく為、隼人は時にメンバーとは別行動を強いられる事もある。また、製造工場にはかならずレッドフラクション製造の為の材料も保管されている。レッドフラクションの材料となるのはまだ年端もいかない子どもたち。あまりに惨たらしい現状を目の当たりにしながらも、隼人は作戦を行い続けなければならない。救える命よりも失われる命の方が圧倒的に多い現実に打ちのめされそうになりながらも、皆と協力して己のなすべき務めを果たしていく。

 

 

潤にとっての命の恩人

 

・国家なき組織との最終決戦に向けて面々が行動する中、持病の「結晶病」悪化により潤が倒れてしまう。余談を許さない状況下、潤の「結晶病」の進行を抑制する力を持つ唯一の存在である翔太は別行動を強いられていた。戦地にいる翔太と電話を交わした隼人は「椿屋さんは俺が助ける。だから、さっさと終わらせて早く帰って来い」と翔太の背中を押し、約束を交わす。隼人も潤と同じ特殊な血液型「バー・ディー・バー」である事は清人から告げられており、結晶病に侵された潤の血液を浄化するのに必要な多量の血液も、頑丈かつ体格に恵まれた隼人であれば提供できる。隼人は生まれて初めて父親に頼む。「椿屋さんを助けたいから協力してくれ」と。父・清人は「もちろんだ」と笑顔で応え、元々は医師であった清人によって潤は救われる。

・隼人にかかる負担は相当なもので、彼は数日間に分けて一定量ずつ血液を潤に提供する事に。それにはかなりの負担が伴うが、かつては忌み嫌われ迫害の対象となった自分の特異体質が巡り巡って人のためになるという事実を噛み締めた隼人。それによって隼人は誰かに与えたい、誰かを救いたいという無償の愛に本格的に目覚めてゆく

 

▼▼ 潤詳細

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp

 

 

小さな戦士、ルカに還る場所を

 

・レッドフラクションを巡る戦いも最終戦に差し掛かる。その時、隼人は翔太やカエサル、そして元KBG諜報員であり現在はカエサルと同じ傭兵として活動している小さな戦士、ルカと行動をともにしていた。地球規模での覇権を握るレッドフラクションに関する研究データの破壊を目的として作戦行動をとっていた最中、ルカが戦死してしまう。今にも倒壊寸前のビルから避難しなければならない緊迫した状況下、ルカを一人で置いて行けないと主張する隼人だが、晴明に諭され一度はその場を後にする。けれど隼人は孤独の中で懸命に生きてきたルカを、世界中の子どもたちを救うという目的でその身を削ってきたルカに還る場所を与えたいと再び現場に赴く。そして隼人は冷たくなったルカを抱き上げ、涙を流しながら彼の遺体を持ち帰る

・世界中の子どもが温かな毛布にくるまり、温かいスープを飲んで、理不尽や不条理に泣かされる事がないように…そう願い戦ったルカを温かい場所へ還す。

・ルカの遺体は無事に桐沢財閥保護下にあるアジトへ連れ帰られ、ルカはたくさんの仲間に見守られながらその御身を土へと還した。

 

 

亡き前社長、茜雫の想いを胸にーーー……

 

・翔太への気持ちを吹っ切った隼人は次の目標を見つける。

・BLUE PUNCHは梨也が銃刀法違反と殺人未遂容疑で逮捕されてしまった事により、活動休止状態を余儀なくされていた。那智も未だにレッドフラクションの後遺症に苦しんでおり、夾介は梨也wを救うべく法律の勉強を開始。一見すると散り散りになってしまったようにも見えるBLUE PUNCHだが、その絆は固く、それぞれが今できる事をこなしていた。

・そんな中、隼人は今は亡き前社長、茜雫の遺志を継ぐ形で平和活動を開始する。その内容は世界中を回ってレッドフラクションの製造工場を片っ端から無力化していく事と、レッドフラクションの後遺症に苦しむすべての人々を救うためワクチンライブを行うという事。隼人にはカエサルが同行し、二人は旅をする形でレッドフラクションに纏わる関係機関の無力化を行うようになる。旅先から送られてくるポストカードを他の面々は大層と楽しみにしている様子。

・また、一覇や白秋、那智と協力して作曲活動を行い、レッドフラクションの効果を打ち消す為の音源(ワクチンミュージック)の制作も並行して行っている

・「ラブ アンド ピースをシャウトに乗せて」。それまで放浪していた隼人をI・Mに招き入れてくれた茜雫は隼人にとって恩人であり、まさに女神そのものだった。世界平和を夢見たものの、陰謀によって散らされた恩人、茜雫の遺志を継ぎ、今度は隼人が平和の使者となるのだった。

 

▼▼ 茜雫詳細

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp

 

九重(LOST-WORLD)

🔼 紀元前より何度も何度も世界の破滅を防いできた古代人の二人

 

あらゆる災厄の芽を摘み取り、世界を存続させる事を目的とした組織「九ツ鐘(ナインフォール)」の首領(ボス)‼︎

 

九重(ココノエ)

 

紀元前より現代まで何度も何度も世界の破滅を防いできた救済の使徒‼︎

 

 

基本データ…「先読み」の能力を持つ圧倒的的中率の占星術

 

・1万5000歳以上 / 身長192cm / 体重85kg

・能力…「先読み」 直感に分類される能力 / 予知夢という形で未来を先読みできる能力

・戦闘スタイル…戦闘には参加できない

・武器…人柄、人望

・出身…異星(地球外の文明)

・好きなもの、得意な事…人間観察、散歩、熱いお茶、柔らかい食べ物、酢昆布、人々の笑顔、最近は彩羽の使う術式に興味津々、ふかふかのお布団、起きている時間、仲間との交流etc…

・苦手な物事…争い、人々の嘆き、涙、悲しみ、冷たい食べ物や飲み物、固い食べ物や飲み物、走る事、力仕事etc…

 

 

人格…生きとし生ける存在を愛し、寄り添う人格者!

 

・常に微笑みを絶やさない。非常に穏やかで包容力を持つ男性

穏やかな言動と優しく柔らかな声色で人や動物、自然や神々からも愛される人格者。

・情に左右される事が滅多にない。悪く言えば人間味がないとも言えるが、その雰囲気や言動はまるで悟りを開いた覚者のようだ。

・元々は異星(地球外文明)の出身だが、※「観測者」としての役割を果たす為にプロトワールド地球にやって来た異星人。プロトワールド地球に降り立ってからは地球外文明の知識を現地の人々に教え、当時の文明レベルを飛躍的にアップさせた。

※観測者=地球の始まりから終わりを見届ける役割を持った者(九重はプロトワールド地球の第二世界から観測者として地球に降り立った為、地球の始まりは見ていない)

・プロトワールド地球に降り立ってからは地球人(古代人)として生きていたが、第二世界の破滅を防ごうと自ら行動に起こす。九重の活躍もあって人類の滅亡は免れたが世界は第二世界から第三世界へと移行する。この時、九重は観測者という第三者から当事者へと存在が変わってしまった。

第三世界でニトと出会い、彼とは紀元前からの付き合いである。

第三世界の終わりの日、九重はニトと協力して※巨大な舟を建築。ニトをはじめとする当時の古代人と動植物を救ったが、世界は第三世界から第四世界へと移行した。

※巨大な舟=ノアの方舟と呼ばれる(実際にノアの方舟とは物質的な舟ではなく、一時的に他の次元へと移動する事が可能な装置の名称である)

 

 

作中での役割…第三者である「観測者」から「当事者」へ!

 

・己の使命である「観測者」として生きる事をやめ、彼は「当事者」としてこの世界を存続させる道を選んだ。それはひとえに彼がこの世界と人々を愛しているからに他ならない。

・元々は地球外文明からの来訪者(異星人)である九重だが、この地球に存在という根を張る為に故郷を捨て、故郷にいる家族や仲間との思い出さえも捨て去って、地球人として生きる事を決める。地球人との交流を経て、彼は地球の人々やこの世界を愛してしまったのだ。

・世界が第四世界へ移行した頃、九重は己の身体的変化に気づく。異星人の彼は元々は死という概念のない完成された生命体であったが、この地球に長く居座った事で彼の身体を死という概念が侵食し始めていたのだ。

・また、地球ではどんどん神秘が薄れていくのと同時に、繰り返される争いや資本主義社会への移り変わりにより、神秘が淘汰され物質社会が優位に立っていく神秘と科学、精神と物質の均衡がどんどん崩れてゆくのを間近で見ていた九重もまたその波に争う事ができず、「先読み」の能力も精度が随分と劣化してしまったようだ。

・また、死という概念の持たない完成された生命体であった九重に死の概念が付与された事により、彼の身体はどんどん蝕まれ、世界が第五世界へと切り替わった頃には身体がかなり衰弱してしまっていた。

・「先読み」の能力はいわゆる「直感」の究極形態であり、それは如何なる時も自然に発動されていたのだが、今では「予知夢」という形で睡眠時に夢の中でしか行使できないまで能力の質が下がってしまった。

以上の理由から九重は基本的に床に伏せている事が多く、彼の好きな物事に挙げられた「起きている時間」や「仲間との交流」は彼の体調や能力行使の条件も相まってかなり貴重で尊い時間となっている。

 

 

「先読み」の能力

 

「直感」の究極形態。

・「先読み」とは「予測」の最上位能力であり、その瞬間、そこにあるすべての情報を即座に処理する事で未来を予測する能力。

・九重は元々は異星人であり、その中でも巨人族に属する生命体だった。その為、脳も他の生命体よりも大きく進化発達しているので、彼にとって「先読み」とは常時フルオートで行われる「呼吸と似たようなもの」という認識があった。

・今は世界に合わせて身体のサイズも現代の地球人と同じくらいにならざるを得ない状態にある為(それでも大柄な方だが)、「睡眠」という縛りなくして能力を行使できないまでに弱体化してしまった。

 

🔼 異星人であり巨人族だった九重。「実際にはどれくらいの大きさなの?」という彩羽の質問に対し、彼は「…クジラくらいかな…?」と返している。

今では地球の規格に合わせて192cmという体格におさまっているが、それでもかなり大柄な体格であると言える。

彼の故郷では巨人族が大多数を占めていたようだが、地球よりもはるかに巨大な惑星だったのか、或いは物質的な縛りのない世界だったのか…?

段々と故郷の記憶が薄れてゆく九重。いつか彼の故郷に「九ツ鐘(ナインフォール)」のメンバーは行けるだろうか…?

 

 

「九ツ鐘(ナインフォール)」のボスとして…‼︎

 

・九重は自分の身体がもう長くは保たないと悟る。彼は今世、第五世界で己が己に課した使命を果たすと決意

・彼はこれまでの長すぎる旅路から世界を破滅に導くいくつかの法則を見出す。それは「怪物(モンスター)」と呼ばれる存在と、それらを生み出す「罪の種」が大きく関わっている。

第二世界や第三世界、第四世界の破滅はいずれも「罪の種」が発芽する事により「怪物(モンスター)」と化してしまった人類が起因になっている事に気づいた九重はこの世界に無数に存在し、今この瞬間もどんどんと増え続けている「罪の種」の回収及び、発芽した種を摘み取る為に世界中を旅し続けている。

・頼もしい「九ツ鐘(ナインフォール)」の仲間たちとともに彼は終わりのない戦いに終止符を打つ為、再び歩き出す。たとえ、この身が朽ち果てようとも。

・彼は「九ツ鐘(ナインフォール)」を組織した張本人である。彼のボスたる所以はその能力の有用性のみならず、彼の人柄や人望、そして資金力が大きな理由となっている。組織の運営にかかる諸々の資金はすべて彼が占星術師として稼いだお金で成り立っている。彼の占いは脅威の的中率らしく、有名人や政治家、各国の要人も彼の元に足繁く通っているらしいが、彼は一部の人間を贔屓する事なく、すべての人を平等に順番通りに粛々と仕事を行なっている。

 

 

仲間との関係性

 

・九重と彩羽(イロハ)

 

「九重さん、起きてるか?」

「…ああ、起きているよ。今日はどんな話を聞かせてくれるのかな」

「えっとねぇ…」

 

彩羽の故郷が襲撃に遭った際、彩羽に力を貸した。

・九重は「先読み」の能力で彩羽の存在を知り、彼を仲間に加える為に彩羽の故郷へと向かった。しかし、結果的に彩羽の大切な存在(父親と妹)を助ける事はできず(「先読み」の能力の精度が著しく劣化していた為)、九重は彩羽に対して深い罪悪感を抱いている。

・旅の道中、行く先々で人や自然、その街並みに感動する彩羽に地球に降り立った当時の自分を重ね、嬉しくなる九重。そんな彼は彩羽にたびたび巨額のお小遣いを与えては彩羽のお土産話を楽しみにしている

 

 

・九重と一悟(イチゴ)

 

「九重さんはえらく私を買ってくださっているようですが…私は九重様のように他者に絶対の信頼を置けるほどの器量を持ち合わせていないのです」

「それは正しい事だよ。他者を疑う事は己の身を守る防衛手段のひとつであるし、対人関係において必要なスキルだ。…それに、一悟くんが騙されないという事は、君を騙そうとした誰かに罪を犯させないという事にも繋がるしね」

「……。」

「君たちの言葉では、不妄語戒(ふもうごかい)というのだろう?…えっと、五戒…というのだったか。君の疑い深さはとても尊いものだと思うよ。これからも大切にして欲しい」

「…驚いた。やはり九重様には敵いませんなぁ…。」

 

・一悟は「九ツ鐘(ナインフォール)」に加入して間もない為、九重に対する厚い信頼はまだ芽生えていない状態。(けれど、人格者である九重に対し、一悟は強い興味を抱いている。)

・九重は旅を続けるにあたり彩羽にとって一悟の存在はとても貴重で尊いものだと悟る。もちろん、他のメンバーにとっても一悟の存在は大きなものだと感じている。

・そして、普段は飄々と掴みどころのない言動をしている一悟だが、非常に頭が良く如何なる時も冷静で情に流されない非情さも持ち合わせた数少ない人材である。また、彼は旅の道中で九重の「先読み」の能力にも劣らない未来予測(情報の組み立てから得られる最適解を導く能力)を発揮する機会にも恵まれていく。九重は一悟に対し、希望と可能性を見出している

九重は「先読み」の能力で自分が果てる未来を何度も見てきた。けれど、その命を今も永らえているのは「九ツ鐘」が成し遂げてきた数々の奇跡の延長戦にある奇跡である。

一悟の最適解を導く能力の開花、そして彼の成長は九重にとって強い安心感に繋がっている。九重は、いつ自分の身が果てたとしても一悟ならば「九ツ鐘(ナインフォール)」の次期首領として必ずや奇跡を起こし続けてくれるだろうという、強い信頼を一悟に対して抱いているようだ。

 

 

・九重とニト

 

「ちょっと九重〜?!子どもたちにお小遣いあげるのはいいけどさぁ、僕の方にももっと研究費を回してくれない?!」

「おや、足りなかったかな?いつも通り振り込んだ筈だけど…?」

「え?ちょっと見せてみて…って、これ振込先間違えてんじゃんか!」

「おや…」

「ボケるのも大概にしてよぉ!!(いや、だいぶおじいちゃんではあるけどさぁ!!ボクもお前も!!)」

 

・第二世界から地球に降り立った九重と第三世界で誕生したニト。第三世界では二人で協力して人類の滅亡を防いだ立役者。

・結果的に世界は第三世界から第四世界へと移行したが、彼らは第五世界となった今でもともに協力し合い己の使命を全うしている。戦友であり親友の関係性。

 

 

・九重と星亜(しあ)

 

「…おや?私の腹部に暖かな重みが…?」

「…すぅ…すぅ…」

「くぅ…くぅ…」

「…これはこれは。なんとも愛らしい寝顔を晒す子猫が二人。喉を鳴らして、どんな夢を見ているのかな」

 

・九重にとってはメンバーの全員が自分よりも年下なので(何せ古代人だから…)、その中でも星亜や刀威のような子猫コンビは孫のように思えて仕方ないらしく、特に可愛がっている。

・九重は星亜が真の星亜の細胞を元に作られた人造人間(ホムンクルス)である事を知っている希少な存在。けれど古代には泥人形で作られた存在が元となり人類の祖先が誕生した例もあるので、九重は星亜の出自に対して特に驚く事もなく一人の人間として接している。

・星亜も九重のそばにいると落ち着くらしく、よく九重の寝台に潜り込んでは一緒に眠っている。

 

 

・九重と五和(いつわ)

 

「…五和くん、過去に想いを馳せているのかな。今日は…」

「やっぱり、君にはお見通しだね。…そう、彼の命日だよ。彼のような悲劇を繰り返さない為にも…僕はもっと強くなる。そして君や仲間たちに恩返しがしたい」

「五和くんの存在なくして我らは成り立たない」

「…キミもな!さぁ、メンテナンスを始めよう。キミの存在なくして九ツ鐘は成り立たないんだからな!」

 

・九重が「罪の種」、その中でも「悲観」の罪を持つ種を回収する為にプロトワールドとロストワールドが混在する世界へ赴いた際、そこで医者をしている五和と出会った。

・残念ながら「悲観」の種は発芽してしまい、街は壊滅状態に陥ったが、その後の復興にも尽力してくれた九重に対し、五和は深い感謝を抱いている。

・その後、「悲観」の種が発芽してしまい、「怪物(モンスター)」となってしまった少年の亡骸の一部を故郷に帰してあげたいと五和は九重たちと行動をともにするようになる。

九重と五和は彩羽が「九ツ鐘(ナインフォール)」に加入するよりもずっと前からの知り合いであり、長い時間をともに旅した大切な仲間同士。

九重の身体のメンテナンスを請け負っているのも五和であり、深い信頼関係で結ばれている二人である。

 

 

・九重と六郎(ろくろう)

 

「それでは、私は眠るけれど…子どもたちをよろしく頼むよ、六郎。」

「…ああ、任せときな。」

「……。」

「…なんだ?じっと見て…」

「いや…私たちはまるで地球でいう夫婦のようだなと思って。それぞれがそれぞれの特性や資質を生かしてそれぞれの役割を全うし、子どもたちを育てる…。そういった関係性を君たち人間は夫婦というのだろう?」

「(…夫婦…まぁ…最近は男女に限った話でもないし…間違いではねぇが…)…早く寝ろ」

「ああ、おやすみ。六郎。」

「おやすみ、九重。」

 

・五和が「九ツ鐘(ナインフォール)」に加入した直後にメンバー入りした六郎。その為、九重と六郎も長い付き合いである。

六郎は九重を尊敬しており、九重もまた六郎を尊敬し、信頼している。

・たまに天然ボケをかます九重に代わり、実質的に組織を仕切っているのは六郎である。

・九重が六郎に対して尊敬の念を抱いているのは、六郎が能力を持たずしてその身ひとつで戦っている事にも関係している。その鋼の肉体、鋼の意志を至高のものとして認識している九重。組織を表で取り仕切るのは六郎であり、裏で取り仕切るのは九重の役割である。まさに一心同体、表裏関係にある二人である。

・九重もまた、六郎の前では首領たる自分ではなく、素の天然ボケな一面を晒せるらしく、お互いに強い信頼関係で結ばれた大切な仲間同士。

 

 

・九重と七ツ夜(ナナツヤ)

 

「…九重様、やりました!」

「見事な働きでした、七ツ夜。こちらにおいで、菓子をあげよう」

「…菓子…ですか。私はもう子どもではないのですよ、九重様。」

「…菓子は二つあるから、ヤトさんを誘ってお茶でもしたらいいのではと思ったのだが…」

「九重様!!菓子とお茶は…自分で用意致します!!」

「おや…(七ツ夜も恋をして男のプライドを覚えたのか…あまり要らぬ気を回しては彼のプライドを傷つけてしまいかねない…そっとしておく事にしよう)」

 

・七ツ夜は王位継承権を持つ一国の王子であり、占星術師として王家に招かれていた九重は七ツ夜とも深い交流がある。

七ツ夜の誕生を予言した張本人が九重であり、彼に「七ツ夜(ナナツヤ)」と名付けたのも九重である。

七ツ夜が生まれてからは彼に勉強を教えたり、一緒に過ごす時間が多かった為、九重は子を想う親の気持ちで彼に接している。

・彩羽が組織に加入する前、「傲慢」の罪の種を持つ「怪物(モンスター)」と対峙した九重たち一行。「傲慢の怪物」に苦戦を強いられる九重たちだったが、王家に伝わる神器のひとつである「剣」から見事認められた七ツ夜が加勢に駆けつける事で難を逃れた。

・「傲慢の怪物(モンスター)」を退けたのをキッカケに七ツ夜が組織に正式に加入してからは、共に力を合わせて数々の苦難を乗り越える

・九重は七ツ夜が生まれる前からずっと彼を想っていた(生まれるのを楽しみにしていた)ので、九重にとって七ツ夜はまさに血は繋がらなくても子どもそのものである。

七ツ夜の恋路を応援しているのだが、それに関して口を出すと珍しく七ツ夜に怒られてしまうので、最近は遠くから見守る事にしている。

 

 

・九重とヤト

 

「ヤトさん、ここでの生活には慣れたかな?何か困っている事があれば遠慮なく言って欲しい」

「ありがとうございます、九重さん。いまだに驚く事ばかりですけど…みなさんに良くして頂いてるので困り事はありませんよ」

「…そうか。それならば、私も嬉しい。…ちなみに、七ツ夜をどう思う?」

「……?七ツ夜くんは頼りになるし、よく買い物にも付き合ってくれるので…とても助かっています」

「…!そうか…そうか…!」

「…??」

 

・はじめはロストワールドに迷い込んだヤトを保護する形で知り合った二人。

・能力を持たないながらも「九ツ鐘(ナインフォール)」に尽くしてくれる彼女に九重は深く感謝している。ヤトもまた九重の人格を尊敬し、積極的に九重と交流を持とうとしている姿が見受けられる。

・九重にとっては我が子同然である七ツ夜と、明るく器量の良いヤトの関係をとても好意的に見ている。二人の仲が進展する事を心から願い、たまに的外れなアシストをしては七ツ夜に怒られる姿がたびたび見られるようだ。

ちなみに、九重は七ツ夜とヤトの関係性について、「先読み」の能力は行使していないようだ。能力でもって二人の関係性に介入する事は避けながら、二人の関係性をあくまでも見守る立場を貫いている。(その方が九重自身もワクワクするらしい)

・九重にとってヤトの存在は完全なるイレギュラーであり、九重の「先読み」の能力ではヤトの存在を知る事はなかった。(本来ならば九重とヤトの縁が結ばれる事はなかった)

しかし、九重の「先読み」の能力が劣化し、その精度が落ちていた事と様々なイレギュラーが重なった事で彼らの縁は結ばれ、それによってヤトは「遠仁(オニ)」という怪物(モンスター)と化してしまう別の未来が開かれてしまった。

ヤトの遠仁(オニ)と「暴食」の罪の種が発芽してしまった事は九重にも深い傷を負わせる一大事だった。

 

 

・九重と刀威(とうい)

 

「刀威、次の世界は寒さの厳しい過酷な世界だ。防寒具を新調したから着てみてくれないか」

「…はっ…ありがたき幸せ…!…しかし…恐れながら九重様…防寒具と言うにはあまりにも肌の理露が多い外套のような…」

「ふふふ。彩羽くんが呪い(まじない)を施してくれたお陰で、防寒性とデザインの両方を追求する事ができたんだ。私と彩羽くん、ニトの共同制作だよ。星亜とお揃いのデザインなんだ、可愛いだろう?」

「…!本当だ!何か温かなエネルギーに包まれているような心地…!ありがとうございます、大切に致します!」

 

・九重は星亜が人造人間(ホムンクルス)である事実と、刀威の出自、その真実について知っている希少な一人である。

・互いに思い合う星亜と刀威の幸せな未来を毎日祈り続けるくらいには彼を大切に思っている。

・たまに刀威も九重の寝台に潜り込んでいる姿が見られるが、刀威は自分の立場を弁えてなのかあまり表立って九重に甘えようとはしない。(一般家庭の出自である刀威、そして王家に仕える占星術師である九重はあまりにも立場が違う)

・しかし、九重は星亜に向ける愛と同じだけの愛を刀威にも向けて、我が子か孫のように可愛いがっている

LOST-WORLD:あらすじ

現代世界(プロトワールド)と失われた世界(ロストワールド)。
そこに関わる人々の存在を賭けた戦いが幕を開けるーー…。

 

▼ LOST-WORLD あらすじ

 

舞台は科学が支配する現代日本(プロトワールド)。


太古より受け継がれて来たあらゆる神秘は淘汰され、完全なる科学信仰社会が築き上げられた現代世界…プロトワールドにおいて、アリスと呼ばれる一人の少年が誕生する。

 

「創造」の能力者…アリスの誕生により移り変わる世界!

 

アリス…中宮有栖は空想に浸るのが好きなごく普通の少年だ。
幼い頃から様々な物語に触れ、そして自身でも物語を創作するようになった彼には、彼自身が認識していない特殊能力が備わっていた。

 

中宮有栖に備わっていた特殊な能力…それは「創造」の能力。

彼の描いた想像の物語は世界として創造される。まさに創造主であり神のような能力だ。

 

アリスによって創造された世界はこの宇宙の片隅にある宇宙図書館、通称アカシックレコードに保管されてゆく。

アカシックレコード…この宇宙のどこかにあるとされる図書館。あらゆる人類史、あらゆる歴史、あらゆる文明を保管した「宇宙(地球)の記憶」そのものを概念化した存在。

アカシックレコードは高次元に存在するとされ、そこに踏み入れる権利を持つ者は少ない。

 

アカシックレコードに立ち入る権利を与えられ、地球の記憶を閲覧し、書き換える能力が備わっている存在こそがアリスの名を持つ者に与えられた能力だ。

 

崩れ去る科学信仰…。第五文明への移行、開始ーー!!

 

長らく不在だったアリスが再び誕生した事により、それまで張り巡らされていた科学信仰というテクスチャーは剥がれ落ち、この世界は科学と神秘が融合する新時代へと移行した。
それはすなわち、科学と神秘が共存する…※第五文明の始まりである。

※第五文明…別名五次元世界。

直線上に前か後にしか進めない世界、一次元世界と前後に加えて左右に動く事も可能となった二次元世界、さらに奥行きが加わった三次元世界と時間が加わった四次元世界、そこにプラスされたもうひとつの要素からなる新世界を五次元世界と呼ぶ。

わかりやすく言うと、点と線、奥行きと時間から成るこれまでの四次元世界にアリスの誕生によってプラスされた神秘という揺らぎ(波)が加わった世界。

四次元世界に足された新たな要素は未だ解明されていないが、九ツ鐘(ナインフォール)のボスである九重は、それを視点(観測者によって変わる視点とその結果)ではないかと思っているらしい。

 

科学と神秘…対極に在る要素が同立する時…世界は変わる!

 

しかし、悲しいかなこの地球の人類史において、未だかつて科学と神秘の共存に成功した歴史は存在しないのである。

 

科学が神秘を淘汰する事によって築き上げられた科学信仰社会、物質世界からの激変は人類史におけるビックイベント、大きな混乱を呼ぶ大変革であった。

 

第五文明へと移行した新世界では神秘の能力に目覚める人間が各地で出現。
超常的な能力や超常的な現象に世界が混乱する中、見計らったかのように更なる波乱がやってくる。…彼らの侵略だ。

 

失われた世界(ロストワールド)の存在を賭けた逆襲が始まる。

 

現在の化学信仰社会を作り上げる中で生まれた悲劇がある事を…人類は知らなかった。

そして、次の時代へと移行する為には知る必要があった。かつて排他され、淘汰されたあらゆる歴史、あらゆる世界。

 

アリスが王城(おうじょう)と接触してしまった事で、アリスは神秘を認識してしまう。

アリスによって認識された神秘は、曖昧だったその輪郭を確かなものへと変えて、明確な敵意を持ってこの世界…プロトワールドを支配するべく動き出す。

 

この世界を存続させる為に…!

「九ツ鐘(ナインフォール)」と彩羽(いろは)の出会いが運命を大きく変える!

 

主人公の彩羽(いろは)が所属する組織「九ツ鐘(ナインフォール)」はプロトワールドとロストワールドの住人が互いに尊重し合う事で成り立っている。

生まれた時代、種族、生まれた世界の違う彼らが手を取り合い、目指すのは真の調和である。

人々が、人と自然が、人と神が、世界と世界が、歴史と歴史が、科学と神秘が。

それぞれが互いに反発し合う事なく調和する事でこの世界を存続させる。その為に彼らは戦っている。


九ツ鐘の首領(ボス)である九重(ここのえ)は紀元前からこの現代まで何万年も生き抜き、この世界を存続させる為に活動を行なって来た古代人の一人

九重が率いる九ツ鐘の目的は…それは。

世界を破滅へと導く可能性のある「罪の種」が発芽する前に回収する事。
罪の種が発芽してしまった場合は、その芽を摘み取る事。

 

主人公の彩羽は、科学信仰社会においても淘汰される事なく、その神秘性を守り抜いた神道の一族に生まれた少年である。
決して表舞台には出る事なく、日本の政(まつりごと)を裏から仕切っていた鴉(からす)と呼ばれる組織、その一員

 

アリスによって神秘と科学の融合が成された世界において、古代人である九重との出会いによって彩羽は初めて神域の外に出る事になる。


これまで隔絶された世界で生きていた彩羽

初めて見る外の世界、その美しさや人々の優しさに触れて、この素晴らしい世界を決して失ってはならないと決意する。

 

そこで出会った仲間たち…九ツ鐘のメンバーと共に戦い、共に泣き、共に笑いながら旅を続ける彩羽だったが…。

 

立ちはだかるのはこの世界の覇権を握ろうとする勢力…「王城(おうじょう)」の面々!

 

彩羽たち九ツ鐘の前に立ちはだかるのは失われた世界…ロストワールドの勢力だった。

 

アリスを手中に納め、その他の世界を管理下に置こうとする組織…「王城(おうじょう)」

彼らは絶対王政、完全実力主義、優生思想に染まった人々によって作り上げられた世界、そして今は失われた世界の住人である。


鏡ノ裏(かがみのうら)と呼ばれる異世界を統治する王王に仕える騎士団の面々都市伝説という形でプロトワールドに自身の存在を証明する根を張り、じっと好機を伺っていた。

※都市伝説などの噂程度でも、プロトワールドの人々が鏡ノ裏の存在を認識する事によって彼らの存在はプロトワールドで輪郭を持ち、それはすなわち彼らの存在を証明する要因となり得る。

 

立ちはだかる難敵…宮廷騎士団の精鋭たち!

 

鏡の裏を統治する王と、王に仕える精鋭たち。王の住まう城(宮廷)を守護する騎士たち…宮廷騎士団。そこに在籍する者は皆、超常的な能力を使いこなす精鋭(エリート)ばかりだ。


九ツ鐘も死力を振り絞り彼らと対峙するがーー…。

 

世界を存続させる事を目的とした組織、九ツ鐘(ナインフォール)。

 

その他の世界を管理下に置く事を目的とした組織、王城…宮廷騎士団。

 

世界を壊し、新たな世界を造り直す事を目的とした組織…ディメンション・メーカー。

 

プロトワールドの人間とロストワールドの人間がそれぞれの存在を証明する為に戦う一方で、新たに浮上する敵対勢力…ディメンション・メーカーと呼ばれる存在。

戦いは人のみならず、神や天使、悪魔、鬼、精霊、妖精…これまで隠匿されて来たあらゆる神秘までもが今、科学を根絶し、己の存在を証明するべく猛威を振るうーー…!

 

それぞれがそれぞれの思惑、願い、祈りを賭けてーー…。
今、存在証明を!!

彩羽(LOST-WORLD)

🔼 九ツ鐘の仲良しトリオ!

 

あらゆる災厄の芽を摘み取り、世界を存続させる事を目的とした組織「九ツ鐘(ナインフォール)」の一員

 

彩羽(イロハ)

 

日本神道の秘蔵っ子!天照神に仕えるハイカラ神子少年!

 

基本データ…言霊の能力を持つ後方支援者!

 

・15歳 / 身長170cm / 体重57kg

・能力…「言霊」によるバフやデバフを得意とする

・戦闘スタイル…言霊による仲間へのサポート、風水や呪い(まじない)を用いた簡易攻撃、陣地作成、式神の召喚など

・武器…拡声器(言霊の能力を増大させる)

・出身…プロトワールド(アリスが誕生したオリジナルの世界)、日本淡路島

・好きなもの、得意な事…派手なもの(和服の下にいつも派手な柄シャツを着用)、お洒落(自分がするのも他者のファッションコーディネートをするのもどちらも好き)、ネイル、食べ歩き、観光、温泉、ヤトの手料理(特に煮魚)、お守り作り(簡単なまじないを施したもの)、長時間の正座(足が痺れない)、女装(結構可愛いと評判)

・苦手な物事…特にないと本人は語っているが、実際は言霊の能力を持つが故、苦手な物事(ネガティブな事象)が現実化しないよう口には出さないだけである。苦手な物事は座学、乗り物(すぐに酔う為)、肉料理(今まで食べた事がなかった為、胃が重たくなる)など

 

人格…明るく素直なイマドキ男子!

明るく素直な性格。前向きな言動で仲間のみならず出会う人々からも好かれる良いヤツ。同じ組織のメンバーである一悟(イチゴ)からは「人タラシ」と評されるほどいつもたくさんの人に囲まれている人気者である。一見すると悩みなんてなさそうな圧倒的勝者「持つ者」というイメージを持たれる事が多い。

・しかし、その純粋さが行きすぎて騙されやすいという欠点も持つ。人を疑う事を知らず、また自分責めの癖もある為、危なっかしい一面も。

・単純な思考形態であまり深読みはしない。何かあっても次の日には忘れている根に持たないサッパリとした少年。

・人との距離(パーソナルスペース)が極端に狭い。彩羽の人タラシは異性にも同性にも発揮される為、同メンバーの七ツ夜からヤキモチを焼かれる要因になっている。

・非常に家族思いで、軟禁状態にある妹を救い出す為に故郷を飛び出て世界救済の旅に出る事を決意した。

 

作中での役割…「人柱」としてアマテラス神の憑代に

言霊の究極形態である大祓歌(おおはらいうた)の完成と習得を成す為に修行に励む

アマテラス神の憑代となる為、人柱というある種の器としてこの世に生を受け、制限付きの人生を謳歌中。

・彩羽は九重の協力を得て、大祓歌を完成させる事を条件に軟禁状態にある妹の解放を族長に約束させた。

・彩羽が大祓歌を完成させる目的は妹の為、そして九ツ鐘に招かれてからは仲間たちのサポートを強化する為である。

・彩羽が大祓歌を見事完成させた時、妹は解放され、そして彩羽は人間としての最期を迎える運命にある。

 

※アマテラス神…天照神の一部を人に憑依させた存在であり、次のアマテラス神になるのは彩羽の役目である。あくまでも天照神の一部を憑依させた人間のことを指すもので、実際の天照神とは別次元の存在である。

 

「言霊」の能力

人の念や意思、意志を言の葉として歌う事でそれらを現実化する能力

(例…敵の攻撃から絶対に回避できないとされる状況下において、彩羽が「その攻撃は届かない」と言霊を発せばその通りになるetc…)

・ただし、言霊の能力が発動する条件として、彩羽が発する言霊と彼自身の感情が一致していなければ言霊の能力は発動しない。

(例…敵の攻撃を回避する為に「その攻撃は届かない」と言霊を発しても、彩羽が「もしかしたら避けられないかも知れない」と思っていれば、その感情を優先した現実が創造されるetc…)

言霊の能力を使いこなすにおいて最も重要な事は、自分や他者を心から信じる力であり、そこに迷いや不安があれば言霊の能力は感情を優先して発動される。

 

仲間との関係性

 

・彩羽と一悟(イチゴ)

「名付けて!俺たち神仏習合コンビ!」

「…ははは。まさに大和民族の在り方を表す善きコンビ名ですね(妙なコンビ名をつけんじゃねぇよクソ神子が)」

神道の一族である彩羽と僧侶の一悟、名付けて神仏習合コンビ(彩羽命名である。

・彩羽の言霊の能力と、一悟の洗脳の能力はどちらも声(言葉)を媒介に発動される能力

・一悟は彩羽の人柄を「人タラシ」と評した。それは彩羽の純粋性を讃美した言葉であるのと同時に、その純粋性が形成された経緯(彩羽の生い立ちや言霊の能力)の残酷性を皮肉った言葉でもある。

・作中でも一悟は彩羽に対して「人タラシ」以外にも様々な形容詞で彼を評しているが、中には「善人クソ野郎」というかなり過激な喩えをする事もある。僧侶という立場上、猫被りには定評のある一悟がこれほどまでに激しい感情を向けるのは彩羽くらいかも知れない。

・作中、彩羽は自信の喪失により言霊の能力を上手く使いこなせないスランプに陥る。そんな時に彩羽が頼ったのは一悟である。彩羽は一悟の洗脳の能力でもって自分の迷いや不安を書き換えて欲しいと彼を頼るが一喝されて終わる。一悟自身、自分の能力にコンプレックスを覚えていた為、彩羽にだけは自ら洗脳を望んで欲しくなかったと語っている。

 

・彩羽とニト

「やっほ〜彩羽っち。良ければボクとちょ〜っとデートしない?」

「デェトォ…?まさか良からぬ実験の非検体にするつもりじゃ…?」

「大正解〜☆」

・ニトの年齢を聞いた時にかなり驚いていた。(ちなみにニトは古代人の為、推定一万歳以上という幼い外見に似合わずかなりの高齢者である。)

彩羽の武器でもある拡声器を作ってくれたのはニトである。ニトの独特なデザインを彩羽は大層気に入っているらしく、二人はよくファッションや芸術について意気投合している。

 

・彩羽と星亜(しあ)

「七ツ夜お兄ちゃんの結婚式まで、僕の体は保つかなぁ…」

「一緒に祝詞を唱えられるように頑張ろうぜ!」

「…ん、ありがと。彩羽。刀威(とうい)にはこの話は内緒だよ」

「わかってるって」

・七ツ夜お兄ちゃんとヤトお姉ちゃんの恋路を応援している星亜は最初こそ彩羽に警戒心を抱いていたものの、彩羽のヤトに向ける家族愛にも似た純粋な想いは、自分が七ツ夜やヤトに向ける想いと非常に似ていると感じた星亜。それ以降は彩羽に対しても好意的に接するようになる。

・星亜は代々「星守り」の役目を担ってきた一族の長である真の星亜の細胞から作られた人造人間(ホムンクルス)である。彼は真の星亜ではなく、星亜の代用品だったのだ。そんな彼も生まれながらに制限付きの人生を生きる事を宿命づけられているからか、人柱として生まれた彩羽に特別な思いを抱いている様子。

 

・彩羽と五和(いつわ)

「やぁ彩羽くん。体調は悪くないかな?」

「俺は大丈夫。五和さん、ヤトの様子は?」

「…僕がきっと彼女を救ってみせるから、君もそろそろ寝なさい」

「…うん、ありがとう!」

・五和の実年齢を聞いて非常に驚いていた。(五和は古代人ではないが、ティーンのような顔立ちをして実はアラフォーに差し掛かっている)

・包容力のある五和を好意的に見ている彩羽。五和もまた、彩羽をまるで子どものように微笑ましい気持ちで見ているが、彩羽に課せられた宿命をとてももどかしく思っているようだ。

ヤトの遠仁(オニ)化を食い止める為に尽力する五和に対し、彩羽は心から感謝している。

 

・彩羽と六郎(ろくろう)

「兄貴!飯が炊けましたぜ!」

「まだ子分ごっこやってんのか、お前は…」

・彩羽にとって六郎はまさに頼れる兄貴!六郎の事を「兄貴!」と呼んで勝手に子分を気取っている。そんな彩羽に「兄貴はヤメロ」と言いつつも、六郎もまた彩羽を息子のように思っている。「あんなにデカいガキを持った覚えはないけどな…」なんて言いつつも満更ではない様子。

 

・彩羽と七ツ夜(ナナツヤ)

「勝ちに参る!行くぞ、彩羽!」

「おう!後方支援は任せろ!安心して先陣切って行け!」

・それまで人柱として、そして神子として世俗から隔離された世界で生きていた彩羽と王位継承権を持つ正真正銘の王子様である七ツ夜。お互いに初めてできた年齢の近い友人であり親友という間柄。

・七ツ夜は彩羽とヤトの距離の近さにヤキモチを妬く事もあるが、彩羽とヤトが楽しそうにしていると自分も嬉しい。でもやっぱり距離が近いと引き剥がしに行く(笑)

・彩羽もまた、七ツ夜とヤトが結婚してくれたら嬉しいと思っているし、二人の結婚式で自分が祝詞を捧げられたら幸せだなぁと思っている。

・封印指定の対象に認定された彩羽。七ツ夜は初めての友達(親友)である彩羽と初恋の相手であるヤトの二人が世界から狙われる事になる

 

・彩羽とヤト

「彩羽!さっきの戦いは何?!こんなに傷だらけになって…!無茶しすぎだよ!」

「このくらい大丈夫だって!それよりヤトは平気か?」

「…馬鹿!どう見てもあなたの方が重症でしょう!五和先生のところに行くよ!」

「はぁ〜い!」

まるで姉弟のように仲が良い。その為、彩羽は七ツ夜からヤキモチを焼かれているが、彩羽とヤト、七ツ夜の三人はとても良い関係を築いているようだ。

・元々は神秘から隔絶されたプロトワールドの人間だったヤトに「破壊」の能力を与えたのは彩羽である。

・己の無力さに「能力(ちから)が欲しい」と望むヤトに対し、彩羽は「ヤトが待っていてくれるだけでみんな頑張れる」と諭すが、それでもヤトは「この世の不条理を根底から破壊する能力(ちから)が欲しい」と戦う意志を表明する。その言葉に彩羽が「ヤトの祈りはきっと届く」と励ました事により、彩羽の意図しないところで言霊の能力が発動。そしてヤトは自分の祈りが届き、「破壊」の能力を手にするが…。

ヤトの遠仁(オニ)化に罪悪感を覚える彩羽と、そんな彩羽にこれ以上の負担を背負わせられないと自身のオニ化を必死に隠そうとするヤト互いに思い合うが故に二人の気持ちはすれ違ってゆき…やがてヤトは世界に混乱をもたらす「災厄の種」、その中でも「暴食」の罪の種が発芽してしまう事で封印指定者に認定されてしまう。その後、彩羽も同じく封印指定者に認定されてしまい…。

 

・彩羽と九重(ここのえ)

「彩羽くん、今日はどこに行くのかな?」

「今日はヤトと七ツ夜と城下町のお祭りに行ってくるよ」

「そう、それならばたくさんの露店が出ているだろう。これで美味しいものでも食べておいで」

「このカードはお金なの?」

「そうだよ。そのカードがあれば露店を10週はできると思う。楽しんでおいで」

・九重は占い師という職業柄、神道の一族である彩羽の家系とも交流があった。

・また、彩羽に課せられた宿命についても九重は知っており、彩羽が人柱としての運命を甘んじて受け入れる事で訪れる災厄についても知っていた。

・九重はこの世のありとあらゆる災厄の芽を摘み取る者として彩羽のアマテラス化を阻止する為に彼を外の世界に招く。その時は彩羽に対して同情はありつつも世界を守る事を目的に彩羽を九ツ鐘のメンバーにならないかと誘ったに過ぎないのだが、ともに旅を続ける中、外の世界をあまりにもキラキラした眼差しで見る彩羽の純粋性に九重も段々と彩羽を大切な仲間として認識するようになる。

西洋占星術師の九重風水や呪い(まじない)、陰陽道を扱う彩羽扱う術は違えど根底にあるのは九重の「世界を救いたい」という純粋な祈りと、祈りを言の葉にする事で現実を創造する彩羽の間には祈りという目には見えない共通点がある

・「人間として生きている間により多くの景色を焼き付けておこう」という彩羽の純粋な思いに感銘を受けた九重。彼が彩羽によくお小遣いを渡している姿が目撃されているが…その金額は最低七桁という破格の金額であり、お小遣いと呼ぶにはあまりにも巨額すぎる。占い師として巨万の富を持つ九重はかなり金銭感覚が麻痺しているので、彩羽の喜ぶ顔が見たくて七桁、八桁、十桁…という巨額のお小遣いを彩羽に与えようとしてはニトや五和、六郎から注意を受けている

 

・彩羽と刀威(とうい)

「…ほう。貴様、存外美しい字を書くではないか」

「職業柄かな?よく、書をしたためる形で人々の祈りを神に届けていたから。」

「…ほう…祈りを書で…」

「そういえば、最近は若い女性が足繁く恋の祈りを書にしたためて欲しいとやって来ていたなぁ」

「鯉の祈り…それはまた難解な…」

・星亜を共に行動することが多い刀威は星亜と同じく彩羽を好意的に見ている。

・刀威は星亜ほど色恋に聡いタイプではないので、七ツ夜お兄ちゃんの恋路を応援しているが故に彩羽に対して警戒心を抱いていた星亜とは違い、割と初期から彩羽を好意的に見ていた。

・また、彩羽にとって星亜と刀威の通称・子猫コンビはまるで可愛い弟のようで、積極的に交流を持ったりネイルをしてあげたりと何かと可愛がっている

・彩羽と星亜は互いにアマテラス神の器とホムンクルスという立場上、制限付きの自由を謳歌しているという共通点がある。その為、彩羽と星亜は何かと会話の機会に恵まれているのだが、二人が一緒にいると刀威はモヤモヤしてしまうらしい。それは歴としたヤキモチなのだが、刀威が恋愛感情を自覚するのはもう少し先のお話。

・ちなみに彩羽も超絶鈍感少年なので刀威の恋心にはまっっったく気づいていない(笑)

キャラ設定:潤

 

明日、この身体が動いているかもわからない…

過酷な運命に立ち向かうべく立ち上がった「魂を燃やす者」

 

椿屋 潤(つばきや じゅん)

 

「俺、そういうの興味ないんだよねぇ」

「そっか…これが努力の匂いか」

 

基本スペック

 

・身長178cm / 体重67kg / 3月16日生まれ(魚座) / 血液型不明

・一人称「俺」 / 二人称「君」、「お前」

・東京バラノイズのギタリスト

・青みがかった柔らかな髪と青い瞳が理知的な印象を与える物腰穏やかな好青年柔らかな雰囲気と王子様めいた外見から女性人気が特に高い。また、脱いだらすごいらしくそんなギャップも女性心を擽る要因になっている。

・けれど、実態は生活能力の皆無なグータラ男。よく言えば執着のない性格でもあるが、非常に無頓着な性格ゆえにほっとけば部屋は腐海の森と化し、食事も適当なインスタントで済ませるか栄養失調で倒れるかという干物男である。以前はよく部屋で倒れているところを親友の一覇に救出されていたが、今は東京バラノイズメンバーからの手厚い介護もあいまって充実した共同生活を満喫している。ひとりでは生きていけない典型的なズボラ男である。

・好きなもの、事は楝時の手料理(特に和食が好き)と寝る事。本人には絶対に言わないが翔太の歌声を聴いている時間もとても好き。ぼーっと空を眺めたり夜空を見上げる事も好き。お気に入りスポットは図書館(静かで昼寝に適している為)とプラネタリウム(静かで昼寝に適しているたry)でよく出没している。

・苦手なもの、事は甘い食べ物や飲み物。気づけば低血糖症になってしまうくらい甘いものを摂取するのが苦手。けれど、低血糖症の対策としていつも忘れずにチョコレートを持ち歩いている。また、低血圧のため朝起きるのも苦手。朝はだいたいメンバーに起こして貰っているが、寝起きはかなり悪い。かなりの偏食で料理番の楝時を困らせている。また、よく物をなくす。酷い時には大事な商売道具であるギターをどこかに忘れて来てしまった。また、絵を描く事も苦手で周囲の人間からは画伯と評されている。最近はチョコレートが好物になったらしく、バレンタイン(翔太の誕生日)には自分ひとりでは食べきれない量のチョコレートを購入しているらしいが…?

持病を抱えている癖にかなりのヘビースモーカー。

 

東京バラノイズのギタリスト

 

オルタナティブロックバンド、東京バラノイズのギターを担当している。

東京バラノイズに加入する前はフリーのギタリストとして数々のステージに立っていた実力者。その腕を買われ翔太から東京バラノイズに引き抜かれた。

どのバンドにも属さずひとりで自由に活動していた理由は縛られたくないからと本人は語っているが、実際は大切なものを増やしたくないからという理由であった。詳細は以下記述。

・大きな手と長い指で難しいコードを難なく押さえる事ができる。体格に恵まれない同メンバーの珠から羨望の眼差しを向けられるほどのギフテッド逸材である。

・バンド内では積極的に作詞作曲に加わる事はないが、瑛士や響の要求する変態的な技術に難なく応えてみせる彼はバンドの技術力を底上げするには欠かせない存在である。

・バンドマンという無骨さとはかけ離れた、まるで王子様のような見た目から女性人気の高い潤。グラビアモデルとしての需要もかなり高いのだが、本人はあまり乗り気ではないらしい。その為、彼がたまにメディアに露出しているとファンからはとても喜ばれその雑誌は発売前から重版が確定されているようなものらしい。

・東京バラノイズのメジャーデビューシングル「眠りの森」において、ストーリー仕立てのMV(ミュージック・ビデオ)では翔太とともに魅惑的な演技力を見せた。それ以来、純粋に潤を好むファンとは別に、翔太とのカップリング妄想に耽る腐女子を大量生産した。

学業成績は優秀で闘病時にはやることもないのでひたすら素数を数えるという天才じみたことをしていたらしい。ただし、感情に訴えるような文系(古典文学など)は苦手らしい。

 

潤の性格

 

まるで波のようとも風のようとも形容できる何事にも執着しない性格は実は本来の彼のものではなく、自身の運命と向き合う為に作り上げた仮の自分像である。本来の彼は意外と面白いこと好きでノリが良く、時には冗談も言うような至って普通の青年である。

・また、結構ワガママな面があり、どうしようもない嫉妬心を抱くこともある。執着がないなんてとんでもない。本来は支配欲や所有欲の強い性格で、あまり顔に出さないだけでえげつないことを涼しい顔で考えたりもする腹黒な一面も持ち合わせている。

・好きな子ほど弄りたいという少し歪んだ性思考の持ち主。彼がちょっかいをかけたり少しだけ傷つけてみせるのは紛れも無い愛情表現のひとつ。征服欲が強く、サディスティックな面もある。基本的に手綱は自分が握っていたいタイプ。

・付き合いの長い一覇と察しのいい瑛士は本来の彼を知っているし気づいている。

 

 Red Fractionでの役割…「魂を燃やす者」

 

・潤は結晶病という難病を抱えている。

・彼が14歳の時に発症した結晶病はその名の通り、彼の身体が硬い結晶のように硬直していくという恐ろしい難病である。結晶病の治療法は確立されておらず、またその根本原因さえも判明していない。彼はだんだんと動かなくなっていく自身の身体といつも向き合って生きて来たのだ。

薬物療法によって結晶病の進行を遅させてはいるものの、彼の身体は日を重ねるごとに結晶の如く硬直し、自由が利かなくなっていく。以前はできた事ができなくなって、他の人々が難なく行える事が自分にはできない等、もどかしい日々を送る中、彼はいつしか何かを期待する事はやめて、いつも諦めたように生きるようになる。

潤がどこにも属さずひとりで自由に生きて来た理由はまさしく「大切なものを増やしたくないから」。大切なものが増えれば期待してしまう、せっかく諦めた物事にまた執着してしまう。いつどうなるかわからない身で、「大切なものを増やす」事は彼にとって残酷すぎたし、自分を守るためには必要な事だった。

けれど、彼は仲間たちとの交流を経て、自身の役割について認識を改める事になる。いつどうなるかわからない身であっても、この身体が動かなくなるまで、臓器が完全に結晶化して呼吸すらできなくなっても魂を、命を燃やす事を彼は選んだ。

・そして彼は仲間たちとともに巨大なる陰謀に立ち向かう事を決意する。命を消費し魂を燃やし尽くした末に与えられる最高のハッピーエンドを、知るよしもないまま。

 

「結晶病」と「バー・ディー・バー」

 

潤は結晶病という難病を患っている他に、--(バーディーバー)というRh血液型の一種と呼ばれる非常に珍しい血液型の持ち主。

・現在、結晶病に効果的と思われる治療法は大きく分けて二つ。一つは薬物を用いての病状の進行を遅らせるという対処療法で、もう一つは血液浄化療法を用いて結晶病の根本的要因となっている血液を輸血により健康な血液と入れ替えるというもの。けれど、潤はバー・ディー・バーと呼ばれる特殊な血液型を持つがゆえに、血液浄化療法に必要な量の血液を確保できずにいた

翔太の特殊な声(1/fの揺らぎ)によって病状は抑えられるものの、それは対処療法であって根本的解決には繋がらない。また、陰謀に立ち向かう際の作戦によっては翔太との別行動を強いられる場面もある。残念ながら、翔太の声もスクリーンやスピーカー越しでは潤の結晶病を癒すほどの効力は維持できない。

 

「結晶病」の特効薬となったのは…

 

・彼らが国境なき組織の幹部である桜井翔兵にたどり着いた頃、それまでの無理がたたったように潤の病状は深刻なものになる。

・翔太の1/fの揺らぎは己を信じる精神力から来るもの。また、翔太の場合は仲間たちを思う純粋で強い愛情から1/fの揺らぎをより現実化していた。そんな中、精神的支柱である潤の病状が深刻な状態に陥った事で、翔太は思うように歌えない日々が続いていた。

・桜井翔兵との直接対峙を控え、隼人の父親が判明。そして隼人もまた特殊な血液型であるバー・ディー・バーの持ち主である事が判明する。

隼人は自身の血液を潤に分け与える事を決意。成人男性であり、体格にも恵まれた潤の血液を浄化するにあたって必要な血液量は相当なもの。隼人は日を分けて自身の体内から多量の血液を抜き取るという無茶な方法を自分の意思で選び取る。兄・翔太が迷う事なく前に進めるように。

・隼人の血液を医者である隼人の父親によって分け与えられた潤。原因不明の難病である結晶病が完治する事は今の所ないが、それでも彼にとって長すぎる夜が明けたのは確かだった。

やがて、回復した潤はこれまでの薬物療法と定期的な血液浄化療法を行いながらも健常者と同じように日常生活を不自由なく送れる事になる。それ以来、潤は命の恩人である隼人を実の弟のように可愛がるようになる(けれど、潤の愛情表現は少しサディスティックなのであった)。

・また、回復した後はそれまで色々な事を諦めて来たが故の反動か?様々なことに積極的に参加し、まさに魂を燃やすように熱い気持ちで生きていくことになる。これまで諦めたすべての物事を掴み取るように。

 

親友はBLUE PUNCHのギタリスト、一覇

 

・それまで、進んで交友関係を広めようとしなかった潤だが、BLUE PUNCHの一覇とは彼がモデル時代からの付き合いでもう数年の付き合いである。

・その頃、新人モデルとして苦労していた一覇にとって潤は唯一の味方で友と呼べる存在だった。その為、一覇に執着する輝夜からは敵対視されており嫌悪を向けられている。

・一覇についてはかなり話が合う。一緒にいて心地いい。距離感が好き。出不精の潤をたまに外に連れ出してくれる存在が一覇であった。

 

翔太との関係(バンド結成初期〜中期)

 

・潤は翔太からスカウトされて東京バラノイズに加入した。

・出会った当初、潤の翔太に対する印象は「なんだかムカムカする存在」であった。それまで、潤は自身の境遇ゆえに色々な物事を諦めざるを得なかった。なので、潤にとって翔太の「諦めない」真っすぎな生き様は少し眩しくて、それゆえに見ていてムカムカと胸焼けを起こす存在だった。

・突き放してもまためげずに寄って来る翔太に対し、最初は素っ気なくあしらっていた潤だったが、やがて翔太の熱意に根負けする

・けれど、翔太もまた数々の闇を抱えながらも懸命に生きているのだと自覚してからは、彼なりに翔太を励ましたり、時には喝を入れたり友好関係を結んでいくようになる。

翔太が頑張った時には自分の低血糖症の予防に持ち歩いていたチョコレートを与えたり、そのうち翔太用にチョコレートを持ち歩くようになるなど、ほんの少し、他のメンバーとは違う扱いをするようになる。

 

 

翔太との関係(バンド結成後期〜それ以降)

 

・翔太は因縁との決着へ、潤は血液浄化療法を受けるためそれぞれ違う場所へ赴く事になる。けれど、翔太は遠い場所でも潤を感じ、また潤も治療中はずっと翔太の声が聞こえていたと後に語っている。潤が目覚めた時、一足早く帰国していた翔太を見つけ、潤は彼を抱きしめる。「おかえり」と愛おしそうに表情を綻ばせて。それに翔太もまた「ただいま」と応えるのだった。

・術後、潤の体調もみるみる改善。そしてhysteriaの悲願であったクライスト・フォールの出演を代わりに叶えたのは東京バラノイズだった今は亡きインフィニティ・ミュージックの前社長である茜雫の「闇(陰謀を暴く)」という遺志を継ぎ、hysteriaやBLUE PUNCH、それまで関わった全ての人々の想いを胸にクライスト・フォールに鎮魂歌を響かせた東京バラノイズは以降、ワールドワイドな活躍を見せるようになる

・また、潤はそれ以降、これまで積極的に関わることのなかった楽曲制作にも関わるようになる。曰く、「愛情を知るとインスピレーションが湧いてくる」らしい。それまでの彼らしくない言葉も、数々の苦難を乗り越えた今の彼だからこそ言える言葉なのだろう。

・クライスト・フォールでのライブを終えて、東京バラノイズメンバーは束の間の休暇をとっていた。潤も翔太とともに二人だけの時間を過ごしていたが、彼は今まで抑圧していた執着が湧いて出たように、これまでの彼ならば絶対に言わないようなことを翔太に告げる。

 

「結婚でもしようか、翔太」

「ずっと傍ににいてよ」

 

その後、二人はお揃いのペアリングを隠すことなく身につけて世間をだいぶ賑わせたらしい。笑

 

▼▼ クライスト・フォールについての詳細は以下リンクをご参照ください。

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp

▼▼ 茜雫詳細

sxtxaxrxrxy.hateblo.jp